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ダイカストについて

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ball01e.gif ダイカストとは、溶融金属を金型の中に高圧力を加えて圧入することにより、寸法の正確な部品を
 製作する鋳造技術の一種です。
  従来の鋳物に比べ、極めて寸法精度が高く、強度も優れ、鋳肌が滑らかで美しく、機械加工も少なく
 てすみます。
  ダイカスト鋳造法は、精密な非鉄金属鋳物の生産方法の中で、最も生産性が高く、ひとつの金型で
 数万個は繰り返し使用でき、これは一回鋳造ごと新しい砂型を必要とする砂型鋳物との大きな差で、
 寸法精度、形状の再現性が高いと言えます。
  ダイカスト鋳造法で使用する金型は、鋳造したダイカスト品を取出せるように、少なくとも二つの部分
 で構成されます。一方を固定型、他方を可動型といい、それらはダイカストマシンの固定盤、可動盤と
 言われる部分にそれぞれ取付けられます。

ダイカストマシン図 

 鋳造図


  金型には、ダイカスト品の形状を構成するキャビティと溶湯をキャビティに導く、鋳込口、湯道、湯口
 等が彫込まれており、さらに可動型にはダイカスト品が型内で冷えて形を作った後に、型から抜き出
 す為の押出ピンを有している。

コールドチャンバー用金型の構造と各部名称

金型図


  キャビティを彫込んだ部分は一般に熱間工具鋼 SKD61、SKD6等を用い、炭素鋼、鋳鉄、鋳鋼で
 作ったおも型に嵌め込んで使用される。
  固定型と可動型だけでは、成型できない複雑な形状のダイカスト品の場合には、側面方向に作動す
 る可動中子を使用したりします。

ball01e.gif 主なアルミダイカスト用合金として以下の9種類があります。
 

 合金の特性     1=良い   5=劣る

合金名称   JIS記号

類似合金

 ダイカスト性

      他の特性

耐熱間割れ性

キャビテ

充填性

耐焼付き性

機械加工性

電気鍍金性

陽極酸化処理性

化成皮膜処理性

高温強度特性

ADC-10

A380.0

1

2

2

1

4

2

2

1

4

4

2

ADC-10Z

ADC-12

383.0
(384.0)

1

2

2

1

4

2

2

1

4

4

2

ADC-12Z

ADC-1

A413.0

1

1

1

1

3

3

3

3

4

3

3

ADC-3

A360.0

1

2

3

2

3

2

2

2

3

3

2

ADC-5

518.0

5

5

5

5

1

1

1

5

1

1

4

ADC-6

----

5

5

5

5

1

1

1

5

1

1

4

ADC-14

B390.0

3

3

1

3

5

5

5

3

5

5

1


これらの合金の中では、ADC-12が生産量比率によると78.5%程度を占め、当社においても、主に
この合金を材料として鋳造している。

ADC-12の諸特性

機械的性質 参考値

 

物理的特性

 

引張強さ MPa(kgf/mm2)

310(31.5)

比重 (g/cm2)

2.68

耐力(0.2%変形)MPa(kgf/mm2)

150(15.5)

熱伝導率 W/(m・k)

96

伸び(50.0mmにおける)%

3.5

電気伝導率(銅を100とした)%

23

衝撃強さ J/cm2(kgf・m/cm2)

8.1(0.83)

熱膨張係数(293〜473K)K-1

21×10-6

 

ball01e.gifダイカストに向いた製品設計のポイント

@どんな合金を使用したら良いか。(使用条件による合金の性質を考慮する。)
A1型の中に多数の製品を彫りこめるか。(同形多数個取り、異形多数個取り)
 総生産数に対して総費用を最小限になるように1型内の最適取り数を決定する。
B金型の固定型、可動型の分割面をどこにするのか、いかに単純にできるか。
 分割面の決定は寸法精度、抜勾配、湯流れ性、離型性、外観品質、内部巣の発生、鋳バリ取り
 作業性、金型の寿命に大きな影響があり、重要な項目です。

分割面図


Cアンダーカットとなる凹みや穴が成形時に生じないか
 アンダーカットがある場合、形状を変更するか、又、可動中子で抜くことが可能か検討します。

アンダーカット


D金型に製品を抜き出す為の、抜勾配、押出ピンが適正に付けられているか。
 製品を金型から抜き出す為には、金型と製品の接触面に勾配が必要となります。この勾配角度は、
 抜き出す深さ距離によって決定されます。又、製品を金型から抜き出す押出ピンも製品が凝固して
 いく時生ずる収縮による金型にキャッチする力を考慮して適正な位置、ピンの太さ本数で付けること
 が望ましい。これらは製品の歪、破損(カジリ、欠肉)、金型の破損を防ぐ重要な項目です。

抜勾配図


Eリブの設定
 可能な所にリブを設けることで湯流れが良くなり、変形を防ぎ、強度を増すことができます。

リブ図


F肉厚を一定にできるか
 肉厚をできる限り一定にすると、溶湯の流れによる湯ジワ、湯境等の発生を防ぎます。また他の面
 に対して極端な肉厚部を持つとその内部に巣が生じやすく、表面には収縮によるヒケ、凹みが生ず
 る場合があります。

肉厚設定図


G鋭い角はRを付けて丸められるか。
 リブやコーナー等の鋭い角にはR(丸み)を付け、溶湯の流れをスムーズにし、製品や金型の割れ等
 を防ぎます。

角部設定図